- 2001-09-28 (金)
- カテゴリ:コラム「日々想う」

その後バイク談義に花を咲かせた二人ですが,
一段落したところで私があの事件のことを聞いたのは言うまでもありません。
約2週間前にニューヨークで起きたテロ事件のことです。
私 :事件が起きたときは大丈夫だったの?
彼 :比較的遠くに住んでるから大丈夫だったよ。
私 :なるほど。
私 :でも,酷い事件だったね。
彼 :だね。6000人くらい亡くなったよ。
彼 :いや,もっとかもしれない。
私 :かもね。
うーん,6000人。ピンとこないけど,考えればあのときとほぼ一緒だなと,私はふと阪神淡路大震災のことを思い出しました。あの時は日に日に犠牲者が増えていって,最終的に6000人を少し超えたあたりで落ち着いたんだなあと。
今回はあの―ニュース番組の中継映像での―瞬間にそれと同規模の人数の方々が犠牲になったのだと考えると恐ろしいものがあるなと思いました。
一時言葉をなくした私ですが,一抹の興味をもって次の質問を投げかけます。
私 :事件のあと,なにか変った?
返ってきた答えは
彼 :うーん。多分みんながお互いに親切になったよ。
この言葉は私にとってはとても”意外な”答えでした。
つまり,私は
「社会がとても混乱している」,だとか,
「国は報復に向けて準備をしている」,だとか,
「戦争になるかもしれない」のような,
憎しみに満ち満ちているとまではいかなくても
それに近い意味合いを孕んだ返事を予想していたのです。
会話は続き,
私 :でも,社会としては大きな影響を受けたよね。
私は「絶望感」や「大きな打撃」という意味での「影響」を想定して質問しました。
そして返ってきた答えは
彼 :そうだね。みんなが一つになったよ。
やはり。
私の想像していたのとはだいぶ違った雰囲気のようです。
彼の反応はおそらく
一民衆,一市民としての
なんら特別でもない素直な感情からくるものなのでしょう。
それがニューヨークでの現状のようです。
私はここに,アメリカ国民としての気質というよりも,
人間という生き物の基本的な性質の一端を窺がい知れたような気さえしました。
先の2つの質問の答えから推測するに
彼が今一番感じているのは,
怒りとか,悲しみとかよりも強く,身近に感じているのは
団結
だったのではないでしょうか。
もちろん,感情に優先順位をつけるなどというのは
本人にもできることではないかもしれないし,
ある意味馬鹿げているかもしれません。
ただ,彼が私の質問に答えてくれたとき,
私は上のように感じてしまった次第なのです。
これは私の幻想なのでしょうか。
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